ジャックはプロゴルファーで、あるカントリークラブで働いていました。
そのクラブは最近オーナーが亡くなって、ゴルフについては何も知らないオーナーの娘エヴァリンが跡を継いたのです。
ゴルフ場の経営のことでジャックとエヴァリンは事あるごとに衝突して、ついに大げんかをしてしまいました。ジャックはクラブを辞めると息巻いてカウンセラーのスタウファー先生のところにやってきました。
「エヴァリンには何か上手にできることはないの?」
「ああ、ありますよ。
トーナメントの時にはすばらしい宴会を用意してくれます。
料理はグッドだし、もてなし方も最高ですよ。
誰もがくつろげて、とても居心地よくしてくれるのです。
彼女はそういう点で最高なんだ」
「クラブの中で、どこかうわさ話を流すのにいい場所はある?」
「コーヒーショップがいいだろうね」
「そこをちょっとすてきな仕事場にする気持ちが、あなたにある?」
「もちろん」
「ではこうしましょう。
コーヒーショップにいって、トーナメントの時、エヴァリンがどんなにすばらしい宴会を準備してくれるか、1人か2人ぐらいの人に話すのよ。
正直でなければいけませんよ。
本当でないことは絶対にいってはいけません。
そして次の日は、また別の、エヴァリンについての善いうわさ話をするのよ。
それを5日間続けてみて」
次の週になりました。
ジャックはワルツを踊りながら先生のところにやってきました。
「何があったと思いますか、先生」、喜びいっぱいの様子でたずねました。
「僕はやめないことになったのです。
エヴァリンが僕のところにやってきて、僕のことをとっても評価していると言って、これから彼女は宴会だけ担当して、ゴルフ関係の経営はみな僕に任せたいと言ったんですよ」
ジャックはそれからもクラブで働く他の人たちの良いところをみつけ出しては、善いうわさ話作戦をつづけました。
そして3ヵ月後、朝、職場につくと、クラブハウスの正面一杯の横断幕が掲げられていて、そこには、「私たちはジャックが大好き、誕生日おめでとう」と書かれていました。
クラブハウスのレストランにはエヴァリンがセッティングした、すばらしい誕生パーティが用意されていた。
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