堀口大学という詩人がいます。
芸術院会員で文化勲章をもらい、功成り名遂げたこの詩人に
「座右銘」という詩があります。
「暮らしは分が大事です
気楽が何より薬です
そねむ心は自分より
以外のものは傷つけぬ」
人をそねみ、うらやんでも、結局うらやむ自分が傷つくのだという詩です。
これはほんとうにわたしたちの心を動かす詩です。
さらに「気楽が何より薬です」という言葉には
「気楽になることが人生の目的だ」という意味も含まれているように思えます。
江戸時代の禅僧で書画をよくして博多の仙(せん)がい和尚は「寡欲(かよく)なれば即ち心おのずから安らかなり」と書いています。
つまり自分のもっているものに満足し、多くを望まない、うらやまない、他人のもっているものを欲しがらないということを実践すれば、心は自然に楽になると教えているのです。
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